こんにちは!アナログイラストレーターの雲丹。です。
みなさん原画は好きですか?私は大好きです!
原画販売するときの値段設定って悩みますよね。私もいつも値段設定には悩みに悩んでいます。
今回の記事では原画の値段の決め方について詳しくお伝えしていこうと思います。
原画の値段設定についてお悩みの方、原画ってどうして高いの?と疑問に思っている方にも何か参考になることがありましたら幸いです。
原画をお迎えする理由
私は絵を描いてその原画を展示したり販売する側の人間でもありますが、もちろん購入する側になることもたくさんあります!
原画っていいですよね。作品として好きなのはもちろん、実際に見ることでその作家さん特有の画材の使い方や筆跡がよく伝わってパワーを感じます。
展示に足を運んで原画を見ると『絵が描きたい!』となるのは多くの人が共感してくれるはず…!!
自分はスランプに陥ってしまった時やモチベが下がってしまった時によくお迎えした原画を眺めたりしています。自分が好きだと思ってお迎えした作品たちなので、『自分特化のグループ展』みたいな感じになるのもまた良いです。
そして私は小さめの原画よりはその作家さんのポテンシャルが最大限発揮されているサイズの作品を購入する事が多いのでサイズ的には比較的大きめのものが多いです。予算はかなり余裕を持って設定するタイプ。
基本的に原画は手軽に買えるものではないと思っているタイプの人間なので大体予算は『5万円〜10万円くらい』に設定している事が多いですね。お迎えする時はもうほぼ値段見てないです(笑)
予算が予算なのでお迎えしている枚数自体はそこまで多くはないのですが、やはり大きめ作品をお迎えできた時の喜びは尋常じゃないですね…!!
いつその機会が来ても大丈夫なように『原画購入用貯金』をして、いつか絶対お迎えしたい!と思っている作家さんのためにお金を貯めています!おすすめ。
基本的には自分が欲しいから、気に入ったからという理由でお迎えする事が多いですが、他には『その作家さんを支援したい』『これからも絵を描き続けてほしい』という気持ちもあったりします。
売る側の立場も日頃経験しているのでやっぱり作家さんには『それ相応の金額を受け取ってほしい』と思っているので、作家さんにはぜひ自分の納得いく値段を設定してほしいなと思っています。
絵をお迎えする基準は人それぞれなのでいろんな考え方があると思うのですが、私の販売する原画の値段が高いのはこういったことが根本にあるんだなという事が伝われば幸いです!
原画の値段が高い理由
私の場合は基本的に原画は手軽に買えないような値段に設定しています。アナログイラスト界隈から見てみれば高い分類に入るかもしれません。
その理由は先に述べたことももちろん含まれていますが、販売する側の目線としての理由もあります。
それは以下の3つです。
- 世界に一枚だけの絵だから
- 転売対策
- 専業作家(フリーランス)だから
世界に一枚だけの絵だから
これはアナログイラストを描くのであれば言わずもがなというところですが、原画は基本的に世界に1枚しかありません!たとえ同じ線画を使ってイラストを描いたとしても、その時に使う画材のにじみや筆跡など、その時にしか描けない一瞬の価値があると思っています。
『全く同じ絵を二度と描くことはできない』というところからどんな絵でも非常に貴重な価値があると思うので、当然原画の値段にもその付加価値がついて高くなる、という事があると思っています。
1枚1枚を今できる100%の力で描いているからこそ二度同じ原画を描くことはできないんですよね…!!
転売対策
このことを頭に入れるようになったのはフリーランスになってからくらいで割と最近なのですが、あまりにも手軽に買える値段にしすぎると転売されるリスクが高まることがあります。
先ほど言ったように原画はこの世界で1枚だけの大変貴重なものです。その原画を複数人が購入したいと思っていた場合、あまりにも手軽に買えてしまう値段だと高額で転売されてしまうリスクが高くなってしまいます。
もし高額で転売されてしまった場合、作家側のメリットは何もないですよね。
なので自分の作品を守るためにも、購入するまでに少し踏みとどまるくらいの値段設定が良いのかなと個人的には思っています。
転売目的で購入されるのと、大切にされた上で何かの事情により手放すことには作家側からしたら天と地ほどの差があると思っています…!
ちなみに私の絵は『転売目的で購入した原画(購入から1年以上経過していないもの)』や『個人依頼で描いた絵(イベントで描いたスケブなども含まれる)』でなければ、整理のために原画販売する等はOK派です。なかなか原画を捨てるのにも勇気がいると思うので、次に大切にしてくださる方にお譲りするための販売はOKとしています。
私に直接連絡してもらえれば、私が引き取るなどの対応もできると思うのでその場合はご相談ください!
専業作家(フリーランス)だから
絵を描くことで生活している身としては、一般企業に勤めている会社員と同じようにお給料が必要です。
もちろん原画の収入だけではないですが、その収益で画材を購入したり、イベントで販売する本を印刷したり絵を描いていく上でも重要な収入源になるのでもちろん多いに越したことはないです。
ですが売れなければ収益はゼロなので、この塩梅が本当に難しいんですよね…!!😭
専業兼業関わらず、多くの人の悩みはやっぱりここなんじゃないかなと思います。
自分の作品の価値を見極めるのは今でも本当に難しいことなのでこのあたりは数をこなしてデータを集めるしかないのかもしれません…!
需要と供給は変動するからなかなか難しい…!
原画の値段を決める基準
さて、ここからは私がどのようにして原画の値段を決めているのか具体的な方法をお伝えしていこうと思います。
私が原画の価格設定をするときに意識していることは以下の6つです。
制作時間から時給計算する
大きな作品は特に値段を決めるのが難しいので、最近は時給計算するようにしています。
今の自分の年齢から一般会社員の平均の時給を調べて大体このくらいかなというのを決めて計算していきます。
私の場合だと大体1500円〜1800円くらいなのでそのくらいを目安に計算しています。
制作時間はあまり正確には測れていないのですが、最近は動画を撮る事が多いので動画の時間を参考にしたり、1日の制作時間はこのくらいと決めています。
お絵描きアプリなどについている描画時間の記録データなどを見るのも便利!
原画のサイズや描き込み具合
基本的には小さければ小さいほど安価に、大きければ大きいほど高価にはなっていきますが、大きくてもドローイングのような簡単な着彩だったら安価に、小さくても時間をかけて細かく描いた作品に関しては高価になったりします。
と言っても基本的には大きなものは描き込みますし、小さいものは物理的に描き込みが難しいので簡易的な着彩になる事が多いです。
原画の良さを多くの人に味わってほしい気持ちもとてもあるので、小さな原画は大きな原画と比べると少し手に取りやすい価格帯になっているかなと思います…!
材料費や人件費
絵を描くために使う紙や絵の具などの材料費も原画の値段に含まれます。
また、作品を郵送する際の梱包費や送り届けるまでの人件費(出品するまでの事務作業や梱包作業、発送作業など)も原画の値段に含まれます。
額装代
展示に作品を出展するときは額装代も原画の価格に上乗せされています。
額装代はピンキリですが、展示に出すようなしっかりしたものであれば私は大体5000円〜10000円くらいの事が多いです。
マージンや手数料
展示に出展する場合は基本的にマージン(販売手数料)というものがかかってきます。ギャラリーさんの方針にもよりますが、大体20%〜40%くらいのマージンがかかります。
1万円で販売した場合、作家に入ってくるお金はおよそ6000円〜8000円になるという事ですね。
マージンは展示に出展する場合、ギャラリースタッフさんに搬入搬出や原画が売れた際の発送作業など事務作業を全て行っていただいているのでそれ相応の金額をお支払いするためにあるものですね。
また、通販で原画を販売する場合も同様に、販売手数料(仲介手数料)が振込の際に引かれることになるので、そういったところも考慮しながら原画の値段を決める必要があります。
なので本来の金額を受け取るには元の金額よりも上乗せて販売しないと赤字になることがあります😭
原画が高くなってしまい申し訳ない気持ちもありつつ、そういう事情もあるんだなと知っていただけたら幸いです。
付加価値
最後に付加価値です。具体的な金額というのは決めていないのですが、最後に『この値段だったらこの絵をお嫁に出してもいい!』と満足のいく値段をつけます。
最終的にやっぱり自分が納得のいく値段であればいくらでも問題ないと思っているので先ほど述べたことを踏まえた上で迷った場合はここに戻ってくると良いかなと思います。
世界に一つしかない大切な絵なのでご自分の納得いく形で送り出せれば良いと思います!結局これが一番大事!
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は私なりの原画の値段の決め方についてお伝えしました。
それでもまだ値段設定が難しいと感じる場合は、ギャラリーのオーナーさんに平均価格を聞いてみたり、原画を販売している作家さんの通販サイトを覗いてみたりして、原画のサイズに対するなんとなくの価格を把握してみると良いのではないかと思います。
この記事が何かのお役に立てれば幸いです!ここまでお読みいただきありがとうございました!