こんにちは、アナログイラストレーターの雲丹。です。
今回は私が普段本当によく使っている一軍グラデーションをまとめた記事となっていますので、「コピックを始めたばかりで綺麗なコピックのグラデーションの組み合わせがわからない!」「新しいグラデーションの組み合わせを開拓したい!」という方に是非お読みいただきたいです!
綺麗なグラデーションを作る下準備
綺麗なグラデーションを作るにはそれに伴った下準備や塗り方のコツがいくつかあります。まずはグラデーションを作る基礎からやってみましょう!
グラデーションを作るのに使う色選びのコツ
グラデーションを作ることに慣れていないうちは、2〜3色を目安に色選びをすることをおすすめします。
グラデーションは原則、乾かないうちに塗る方が綺麗なグラデーションを作ることができるのでなるべく少ない色数で慌てずにグラデーションを作っていきましょう。
コピックのカラースウォッチカードを使うと自分の持っている色の中からグラデーションの組み合わせを選ぶことができるので、コピックのカラースウォッチカード作ってみることをおすすめします!
▼Too コピック カラースウォッチカード
そして色選びにはなるべく色相の差や明度差がありすぎない色を選ぶと良いです。
コピック公式様のポストがとてもわかりやすかったのでこちらも合わせてご紹介させてください!
このように先頭のアルファベット真ん中の番号を意識すると同系色のグラデーションが簡単にできてしまうのですが、さらに「下一桁の番号」にも注目してみましょう。
コピックの色番号の下一桁の番号は明度を表していて0000に近づくほど明るく、9に近づくほど暗くなっていきます。
この図のように下一桁の色番号が「9と2」の場合と「3と2」の場合だと明らかにグラデーションの滑らかさが違います。下一桁の色番号を意識してみると違う系統の色でも綺麗なグラデーションを作ることができるので是非この下一桁の番号を意識してみてくださいね。
コピックと相性の良いおすすめの紙
色選びのコツもわかったことだし早速実践!といきたいところですが、コピックの綺麗なグラデーションを活かすにはグラデーションをしやすい紙を選ぶことも大切です。ここでは私が実際に使ったことのある紙でグラデーションに適したおすすめの紙を紹介します。
コピックペーパーセレクション 特選上質紙
コピック公式様から発売されている「コピックペーパーセレクション」の中でも個人的に一番グラデーションがしやすいです。表面がサラサラしているので引っかかりが少なく染み込みも良いので色選びに気をつければとても綺麗なグラデーションを作ることができます。
https://copic.jp/limited/comicillustset_2022
過去にコピック公式様とコラボ販売させていただいたコピックセットに描き下ろししたイラストもこの特選上質紙で描いたものになります。この紙は少し発色が淡くなる性質があるので、パステル調の柔らかいイラストを描いてみたい方にもおすすめできる紙です!
グラデーションの解説も入ったメイキング動画も公開されているのでよかったら見てみてくださいね!
コピックペーパーセレクション 画学紙
グラデーションを作ることに慣れてきたら同じく「コピックペーパーセレクション」の画学紙もおすすめです!
画用紙のようにざらっとした質感で濃い色の発色が個人的にダントツなので濃い色のグラデーションを作るのがとにかく楽しいです。
ファンアートで申し訳ないのですが、インクの吸収率がよく、紙がテカリにくいので濃い色をガンガンに使いたい時はいつもこの紙を使っています!
ミューズ サンフラワーM画紙
こちらはコピック専用の紙ではなく、本来の用途としては水彩紙なのですが私はコピックの紙として使うことが多いです。優しい風合いのまさしく水彩らしいグラデーションを作ることができます。グラデーションも比較的しやすいですし、ムラになることがあっても、逆にそのムラが美しくて気に入っています。
ムラを活かした水彩のようなグラデーションを作ってみたい方にはこの紙がおすすめです!
描きたい絵の雰囲気やグラデーションのしやすさで好みの紙を選んでみてください!
基本的なグラデーションの塗り方
それではようやく基本的なグラデーションの塗り方について解説していきます。
今回使う色は「B24」「B32」「B000」の3色です。この3色を順番に塗って滑らかなグラデーションを作っていきます。
- 一番濃い色を塗る(ここではB24)
- 中間色を塗る(ここではB32)
- 一番薄い色を塗る(ここではB000)
- 1〜3の手順を再度繰り返す
まずは大まかな流れを動画で見てみましょう。
①一番濃い色(B24)を塗る
まずは3色の中で一番濃いB24を好きな範囲に塗っていきます。ムラができないように何回か往復するように塗ってみましょう。
②中間色(B32)を塗る
次に前に塗った色が乾かないうちに中間色のB32を塗ります。この時前に塗ったB24に少し被せるように塗るのがポイントです。境目を円を描くようにぐりぐりと強めにぼかしていきます。
③一番薄い色(B000)を塗る
そしてB000を先ほどと同じように前の色に少し被せつつぐりぐりと境目をぼかしていきます。
④1〜3の手順を繰り返す
ここで再度同じ色を重ねて塗っていくのですが、この時に意識して欲しいのが筆の角度です。
先ほどはねかせ気味でぐりぐりとぼかしていましたが、二度目は筆を少し立てて軽くはらうように塗ってみましょう。こうすることで筆圧の違いによる色の濃度の差ができて色幅が増えるので、より境界線が滑らかになります。
一度塗りと二度塗りの比較
比較してみると境目の滑らかさが少し違うのがわかりますか?微々たる変化ですが、より滑らかなグラデーションを作りたい場合は二度塗りがおすすめです。
広い範囲を塗る時は筆跡が目立たないように何回か重ね塗りしてより滑らかなグラデーションを作るように心がけています!
雲丹。がよく使うグラデーションレシピ大公開!
グラデーションの塗り方もわかったところで、私がコピックでイラストを描く際によく使っているグラデーションレシピをまとめて紹介していきます!丸々真似して使ってもらってOKなのでぜひ参考にしてみてくださいね!
肌によく使うグラデーション
肌の色でよく使っているコピックは次の6色です。
下一桁の番号を見てもらうとわかりやすいですがかなり淡い色ばかり使っています。
コピックは本当に淡い色が優秀なので、淡い色同士のバリエーションはたくさんあったほうが色々なところに応用しやすいので是非色々な淡い色のグラデーションの組み合わせを見つけてみてくださいね!
私が一番よく使っている肌のベースの色が「E0000」なのでこれをベースに合う色をどんどん派生させるようにグラデーションを作っています。
R000→(RV000)→E0000
とりあえず肌の色に迷ったらこれ!というくらいのヘビロテグラデーションです。
滑らかで温かい肌色を作ることができます。ほっぺもそのまま塗れてしまう優れもの!
「RV000」はもう少し人工的なピンクというか、パーソナルカラーでいうところのブルベ肌を作りたい時によく使います。全体的に青系の絵を描くときに「RV000」をほっぺに仕込んであげるととても可愛いです。
RV91→R000・BV000→R000
この二つのグラデーションは主に肌の影の色を塗る時によく使っているグラデーションです。
「RV91→R000」は暖色系の影色に使い、「BV000→R000」は寒色系の影色として使っています。
グラデーションとしてもとても優秀ですが、私はこの二つのグラデーションは重ね塗りをして使うことが多いです。
重ね塗りというのは、「RV91」を全て覆うように「R000」を塗るというようなやり方です。
「RV91」や「BV000」の色をそのまま肌の色に乗せてしまうと少し色が浮いてしまうので、「R000」を重ね塗りすることで肌に馴染むようなオリジナルの新しい色を作ることができるというわけです。
R81
影色の彩度を上げつつもう少し強めたいなという時に「R81」を二重の影や目尻に少しだけ入れることがあります。
「RV91」で全部やってしまうこともありますが、ピンク系の髪の毛の子だったり、彩度が高いイラストを描くときは「R81」を使って影を足しています。
影色だけでなくシンプルに色が可愛いので、髪や服にも使えて便利です!おすすめ!
透明感爆誕グラデーション
透明感のある色を出したい時によく使っているグラデーションを紹介します!
特に使っているのは下記の6色です。
少し紫よりのグラデーションレシピですが、この色たちは特に私の中で大好きな色なので紹介させてください!
特に「B63」と「BV000」は紫系の絵を描くときにこれでもかというくらい使います。もちろんそのまま使ってもいいですし、黒系の色と合わせてグラデーションをすると透明感が抜群に上がるのでぜひ使ってみてください!
紫髪は「V01」などの色も足してあげると可愛い!
「B60」は紫系の色とも青系の色とも相性がよく、1本持っていて損はないおすすめの色ですね!
「B60→B0000」や「B60→C00」の組み合わせで白い服の影を塗ってみるとかなり透明感が出る仕上がりになるのではないかと思います。
そしてその影の縁をなぞる様に「R0000」や「RV0000」などの淡い暖色を乗せてあげると一気に垢抜けた印象になるのでぜひやってみてください!
髪の毛と髪の毛のハイライトの境目にほんのり暖色を入れています!
この時はRV000をたくさん使っていた気がする。
青系のコピックは大好きすぎて語り出したらキリがないので、また別の機会に語る記事を書きたいです。
金髪によく使うグラデーション
金髪(ベージュ髪)はキャラデザをする上でも特に大好きな髪色で過去の絵にもたくさんこの髪色の子がいるので、ぜひこのグラデーションを参考にドールのように美しい金髪を塗ってみましょう!
E50→E0000
金髪のベースに欠かせないグラデーションです。「E0000」は肌にもよく使う色なので、肌馴染みのいいい金髪のベースを作ることができます。「E50」は「E0000」に比べて少し黄色っぽいのでこの色で肌との差別化を出しています。黄色すぎず茶色すぎずの淡いクリーム色なのでどんなところにも使えて便利です。
E41→E40→E0000(またはE50)
ベースで作った色にさらにベージュ感のある色を足したい時に使うグラデーションです。くすみカラーでやや落ち着いた印象になります。
最後のぼかす色は「E0000」や「E50」などベースに使った色でぼかすと馴染みやすいです。さらに影色を濃くしたいときは「E42」を使うことが最近は多いです。
E40番台はどの色も優秀なのでおすすめ!
温かみのある金髪にしたいとき
今紹介した髪色はくすみカラーなのでもう少し暖色系の金髪にしたいなというときは「R000」や「R20」などの淡いピンクを上から乗せてあげると温かみのある金髪になります。
影の色も「E53」や「E33」などの彩度が高めの茶色を使ってあげるとGOOD!使いすぎると茶髪になってしまうので使いすぎには注意!
黄色髪との描きわけ
私の概念的な話になりますが、金髪と黄色髪は自分の中で明確な違いがあります。
なので、使っている色番号やグラーションの組み合わせも全く違うものになります。
金髪(ベージュ髪)を描きたいときはE系のコピックを中心に使い、黄色髪の時はY系やYR系のコピックをメインとして使っていますね!「BG0000」などの少し緑がかったブルーを一緒に合わせることもあります。
植物を塗る時に便利なグラデーション
コピックで植物(葉)を塗るときによく使うグラデーションです。
少し彩度の落ちた緑を使うとより自然な植物の色になります。
G21→E0000
植物のベースを塗る時によく使うグラデーションです。「G21」はG系のコピックの中でも自然な彩度で淡い色合いが使いやすいのでおすすめです。肌馴染みのいい「E0000」とも相性がいいのでよく使う組み合わせですね。
この「G21→E0000」組み合わせの真ん中に、「BG10」や「YR30」、「R000」などを花や周りの色に合わせて塗ってあげると絵に馴染みます。
影色は同じく同系統のG、YG系でも良いですし、「BG72」などの少し青っぽい緑を足してあげると色幅が出て可愛いです!
また、ドライフラワーのような乾燥した植物や下の作例のような緑っぽいベージュ髪を描きたいときは「YG91」や「E81」を使うのがおすすめです。この2色も「E0000」相性がいいので、一緒にグラデーションしてあげると綺麗な色になります!
W系も結構相性が良いです!W00〜W1あたりはかなり使い勝手が良いのでおすすめ
その他おすすめグラデーション
その他コピックで絵を描いているときにこれ可愛いな!と思ったグラデーションを紹介します。
R14→R20→E0000
スキャン画像はピンクっぽいですが、実際はもう少し朱色っぽい感じの赤のグラデーションです。
透明度の高い飴玉のようなグラデーションです!
B63→RV52
少し発光したような、ネオン感のあるグラデーションです!「B63→RV52」に「RV00」や「RV10」を足してあげるとさらにピンクのふんわりした感じが広がります。
このグラデーションはC系やN系、T系などの暗めのコピックとも相性が抜群です。もう少し紫感を強めたい時は「BV25」や「BV29」を使ってあげると透明感が出ます。
パキッとした黒との相性が最高!
B24→B32→(B00)
「B24」がとても鮮やかで美しい青なのでそれを活かしたグラデーションもおすすめです。「B24→B32」としていますが、「B32」を「B12」や「B02」などのもう少し鮮やかな水色で代用するのもおすすめです。最後は「B00」や「B000」などでふわっとぼかすと可愛いグラデーションになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は淡い色のグラデーションを中心に私が愛用しているコピックのグラデーションを作例を交えながら紹介してみました。淡い色のグラデーションの幅が増えれば色を濃くしていくのは比較的簡単なので、是非この淡めのグラデーションレシピから色々なグラデーションに派生させてみてください!
この記事が何かのお役に立てれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました!