こんにちは!アナログイラストレーターの雲丹。です。
イラストレーターの活動をしていると魅力的なお仕事の話が舞い込む一方で、少し悩ましい案件に出会うことも少なくありません。
全てを引き受けてしまうとスケジュールが圧迫されたり、自分の方向性とズレた案件に仕事を割いてしまったこともありました。
そこで今回は私が大切にしている『依頼を引き受ける際のマイルール』についてお話ししていこうと思います。
同じような悩みの方が自分なりの基準を見つけるヒントになれば幸いです。
イラスト依頼を引き受ける際のマイルール8選をご紹介
まずは私が依頼を引き受ける際の基準としているマイルール8選をご紹介します!
- やりたいと直感で思えたかどうか
- スケジュールに余裕があるかどうか
- 報酬は労力に見合っているかどうか
- 経験につながるかどうか
- (レビュー案件の場合)本当に使いたいものかどうか
- 売名につながるかどうか
- メールの文章がおかしくないかどうか
- (海外案件の場合)日本語がちゃんと伝わるかどうか・外国語が理解できるかどうか
①やりたいと直感で思えたかどうか
私の場合お仕事の依頼はメールでいただくことが多いので、まずはそのメールに目を通したときに「やりたい!」と直感で思えたかどうかということを大切にしています。
例えば、自分が元々大好きで使用している画材メーカーさんからの案件だったり、普段から楽しんで閲覧しているコンテンツからの案件だったり、いつかやりたいと思っていたことだったり。
一定期間自分が好きであったものや、やってみたいとかねてから思っていた案件については直感的にやりたい!と思う気持ちが強いので、1つの判断基準の材料にしています。
逆にこれまで知らなかった新しい企業様との案件や今まで特にやりたいと考えてもいなかった案件についてはまた別途考えることがあるのでこのあとお話ししていきます。
直感的な気持ちも大切ですが、私の場合『直感的にやりたい!と思う気持ち』それだけの判断基準にしないようにしています。
お仕事を引き受けるからには最後まで責任を持ってやり切ることが大切です。そのためにも以下のことについて考えます。
②スケジュールに余裕があるかどうか

やりたいことであったとしてもすでにさまざまな依頼を引き受けていた場合、その依頼に十分な時間を割くことができず、結果仕事の質が下がってしまったり、指定された締め切りまでに納品できなかったりと、依頼をしてくださった方にも迷惑をかけることになるかもしれません。
その場合、私はやりたいお仕事であっても勇気を持ってお断りすることがあります。
もちろんスケジュールの相談ができるようであればお仕事を引き受ける前に相談をしてスケジュールを調整してもらえるようであれば調整して依頼を引き受けることもあります!
スケジュールの調整が難しい場合は、この仕事をやりたいという気持ちを相手にしっかり伝えつつお断りのメールを送るようにしています。
そうすることでまた別の機会に依頼をしてくださることもあるかもしれないので、私自身は無理のない範囲で引き受ける引き受けないを判断しています。
③報酬は労力に見合っているかどうか

先に述べた『これまで知らなかった新しい企業様との案件や今まで特にやりたいと考えていなかった案件』についてはこの基準で依頼を引き受けるかどうかも判断します。
今まで自分がやりたいと思っていたことであれば多少報酬と労力が見合っていなくても依頼をお引き受けすることもある(でも一応報酬が労力に見合っているかどうかは判断します)のですが自分がやりたいこととは違う依頼の場合、『その仕事に割いている時間を別のことに使った方が有意義ではないか?』ということを考えます。
限りある時間の中でその仕事が自分の中でメリットになるかどうかを判断することはとても大切です。
特にフリーランスの私は安定した収入もなく、言ってしまえばその仕事をしている時間にイラスト本制作のための絵を描いたり、原画を描いて売る方がファンの皆さんへの還元にもなるし、お金にもなるということは少なくありません。
その時間を削ってまでやる意味があるのかどうかを判断することも個人的には大切かなと思います。
そういった意味ではグッズ制作系のご依頼はお断りすることが多いかなと思います。
今は安価で小ロットなグッズを製作してくれるところも多いので、そういったところでも作れないような魅力的なグッズがある場合は引き受けることもありますが、ネット販売限定になってしまうことや販売手数料がかかる(手元に入るお金が少ない)、入稿の手間があることを考えると、作れる範囲で販売価格や売る場所などの自由が利く方が私には合っているなと思っています。
④経験につながるかどうか
引き受けた仕事が『自分の経験につながる』と判断した場合はたとえ今までにやったことがなかったお仕事や報酬が見合ってないと感じた場合でもお引き受けすることがあります。
私の場合はライブペイントやワークショップ、デジタルイラストの制作依頼がそれにあたりますね…!
正直どれも苦手と思っていることの部類に入ってしまうのですが、『依頼をする側はこの人にならこの仕事を任せられる』と思って依頼をしてくださっているのだと思います。
なので不安な気持ちがありつつも、挑戦してみよう!と思うことが最近は多くなりました。やったことがないから苦手と感じているところもあるかもしれないので、経験すればその改善点も見えてくるし、この経験で今後できることの幅が広がりそうだなと思うことに関しては進んでお引き受けすることが多いです。

苦手としているデジタルイラスト+絵を描く人なら誰でも知っているCLIP STUDIO PAINTさんからの依頼で不安やプレッシャーもありましたがすごくいい経験になったお仕事でした!
⑤(レビュー案件の場合)本当に使いたいものかどうか
レビュー案件の場合製品を無償で提供してくださる(製品提供が報酬)ことがほとんどなので、「無料でもらえるならやりたい!」と思う方も多いかと思います。私もその一人でした。
ですが、それを使って本当に絵を描いてみたいのかどうか、レビュー案件後もその商品を使っていきたいのかどうかということも一応念頭に置いておくといいかなと思います。
レビュー案件の場合はその商品の魅力を伝えたり、この商品をこれから使ってみたいと思っている人になるべくわかりやすく伝えることが必要になってくるので、自分自身がその製品に興味を持つことができないと伝えることが難しいと感じています。
実際に過去に私も今まで買うことを検討したこともなかったようなあまり興味のないレビュー案件を受けてしまったこともありました。
その時は「これをやっている時間に他のことができたな」とか、「早く終わらせたいな」などと考えてしまったこともあったので、やはりその製品を本当に使いたいかどうか、興味を持てるかどうかはとても大事なことだなと思いました。
⑥自分名前を多くの人に知ってもらうきっかけになるかどうか
今までの判断基準に当てはまらないなという案件の場合はこの基準も考慮することがあります。
例えば雑誌掲載や展示会へのお誘いもそれにあたるかなと思います。
不特定多数の方が見てくれる環境に自分の絵があるということはそれだけ新しいファンが増える可能性があるので、そのメリットを考慮して依頼を引き受けることもあります。
露出が増えればその分次のお仕事につながる可能性もあるので、小さなことではありますがそういったところも判断材料にしていいかなと思います。
⑦メールの文章がおかしくないかどうか
詐欺の案件が来ることもたまにあります。その場合はメールの文章に違和感がないかしっかり確認しましょう。
一般的なビジネスメールの文章であれば問題ないのですが、日本語に違和感があったり、典型的な依頼の文章と違う文章の構成だったり、文章のフォントが一部違っていたり、初対面なのに「!」や「…」を使うメールであったりする場合は一度注意が必要です。
魅力的なお話であってもどこか違和感のある場合は詐欺であったり、詐欺でなくともやり取りするにあたりストレスや不満が発生してくる可能性が高いのでその場合は引き受けないようにしています。
⑧(海外案件の場合)日本語がちゃんと伝わるかどうか・外国語が理解できるかどうか
上の項目と少し似ていますが、私の場合Instagramから海外の案件が来ることもあります。英語の文章で送られてくることもあれば日本語で送られてくることもあります。
そういった場合やはり双方がスムーズにやり取りができない可能性が高いので、私は基本的にはお断りすることが多いです。



私が英語ができたらよかったんですけどね…!できないから余計にメールの文章の違和感に気が付けなかったり、やり取りにストレスがかかったりするので海外からの案件は避けることが多いです。
海外のメーカーだけど日本にも進出している企業さんの案件は、担当さんに日本語が伝わる(または日本人)場合があるのでそういったときはお引き受けすることもあります。
直近の案件だとOhuhuさんとのコラボ動画ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は私が大切にしている『依頼を引き受ける際のマイルール』についてお話ししました。
私もまだまだ未熟なのでこのルールに則ったとしても失敗することもありますが、より有意義に自分の時間を使ってお仕事ができるようにこのマイルールを依頼を引き受ける際の指標にしていきたいと思います。
あくまでこれはマイルールなので、ここに書かれていることが絶対に正しいというわけではありません。ぜひ自分なりの判断基準を見つけてみてください!
この記事が皆さんの自分なりの基準を見つけるヒントになれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました!